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第3回「宇宙で植物を知って、食料を生産し、暮らす未来」

講師:髙橋 秀幸 先生

千葉大学国際高等研究基幹・大学院園芸学研究院 植物生命科学講座 特任教授
千葉大学大学院園芸学研究院附属 宇宙園芸研究センター センター長

配信期間:2027年2月12日(金)13時 〜 2月22日(月)13時

 植物は、干ばつなどのストレス環境に遭遇しても、その場を移動することができません。しかし、植物は重力などを道標にして自らの成長を制御し、ストレスを軽減・回避します。人類の宇宙への進出とともに可能になった宇宙実験では、微小重力(無重力)の世界を利用することができます。この地球上にはないユニークな環境を利用して、植物がどのように重力を感じ、成長を制御するのかがわかってきました。また、重力の影響がなくなる宇宙では、地球上では見えなかった植物のはたらきとそのしくみもわかるようになります。
 今日、人類は月や火星を有人探査し、その場に居住することに挑戦しようとしています。そのためには、宇宙で食料を生産・供給する宇宙版植物工場が必要になります。これまで、宇宙という特殊環境で植物を育成するための環境制御技術が開発され、国際宇宙ステーションでは、ムギ・野菜・花などの栽培・収穫に成功しています。しかし、将来多くの人間が月面などに暮らすための持続的な食料生産には、植物の重力依存的な成長現象の制御や宇宙環境適応の理解だけでなく、限られた空間での効率的な植物栽培や資源の再利用・循環などに関連する課題を解決する必要があります。
 本講義では、植物の神秘を解き明かすためにスペースシャトルや国際宇宙ステーションで実施した宇宙実験、ならびに宇宙での食料生産に向けた研究動向を概説し、地球と宇宙における近未来を考えます。