第2回「世界をリードするJAXA宇宙マウスミッション ― 月・火星で生きる未来に向けて ―」
講師:芝 大 先生
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
有人宇宙技術部門
宇宙環境利用推進センター 研究開発マネージャ
配信期間:2026年12月18日(金)13時 〜 12月28日(月)13時
人類が月や火星へ進出しようとしている今、宇宙という特殊な環境が生き物の身体にどのような影響を与えるのかを理解することは、とても重要な課題です。JAXAは国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟において、世界に先駆けてマウスを長期間飼育できる装置を開発し、宇宙での生命科学研究を進めてきました。
本講義では、宇宙マウス飼育装置の開発の歩みと、そこから得られた研究成果を紹介します。特に、宇宙空間で微小重力環境と1G人工重力環境を同時に作り出せる世界唯一のシステムにより、「重力の違い」が身体に与える影響を詳しく調べることが可能になりました。その結果、微小重力では骨量の減少や骨格筋の萎縮が起こる一方で、人工重力によってそれらの変化が大きく抑えられることが明らかになっています。
さらに、月面や火星を想定した低重力環境を再現する新たな研究開発も進めています。こうした研究は、将来の有人宇宙探査を支えるだけでなく、高齢化に伴う筋力低下や骨粗鬆症など、私たちの身近な健康課題の理解や対策にもつながります。本講義では、宇宙で暮らす未来を支えるJAXAの宇宙マウスミッションと、その最前線の研究について、高校生・一般の皆さんにもわかりやすく紹介します。
