第2回「デメキンの眼はなぜ出ているのか?ゲノム研究で病気と進化の謎を解く」

講師:大森義裕先生(広島大学理学部 教授)

配信日時:2024年7月19日午後1時〜7月29日午後1時

 ペットショップなどで見かけるデメキンの祖先は、普通のフナでした。約1000年前の中国でフナから赤くなるよう遺伝子が変異したキンギョが選別され、その後、遺伝子変異が加わってデメキンやランチュウをはじめとした、多様なキンギョの品種が作られました。私たちは、これらの品種の「ゲノム」(すべての遺伝子の総体)を解読する研究を行っています。ゲノムの研究をすることで、キンギョを使うと他の魚類と比べてなぜ多様な品種を作り出せることができるのか?また、どのような遺伝子に変異が起こるとキンギョの色や形が変わるのか?といった疑問の答えがわかってきます。この研究は、何千万年前のフナの遺伝子進化の研究や、人間の病気の原因解明に繋がります。この講義では、観賞魚であるキンギョのゲノム研究からわかってきた特殊な進化や人間の病気との関係についてお話したいと思います。

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