第3回「DNA データとコンピュータによって革新されるがん治療」
講師:加藤護先生
国立がん研究センター研究所 生物情報学分野長
配信期間:2026年8月14日(金)13時 〜 8月24日(月)13時
生物の遺伝情報はDNA に塩基物質A, T, G, C の並びとして保存されています。例えばATGC は4文字の並びですが、ヒトのDNA には全長約30 億文字の並びがあり、この30億文字1セットをゲノムと言います。年齢と共にその並びのパターンは変化し、この変化ががんを引き起こします。がんゲノム医療では、ゲノムの中からがんの原因と考えられるDNA 変化を特定し、その変化に合わせた薬剤を選択します。またDNA 変化の量を計ることで、抑えられた免疫反応を活性化する薬剤を選択することもあります。がんゲノム医療で得られたDNA データは、本邦では国立がん研究センターに集約され、患者さんに合わせた薬剤や臨床試験の情報が記載された文書が発行されています。集約されたデータを活用して、日本人のがんDNA の傾向も解明されつつあります。これらを実現する基盤となるのが、バイオインフォマティクス(生物情報学)の情報処理技術です。本講演では、バイオインフォマティクスの力によって実現される新しいがん治療の姿を、わかりやすく紹介します。



