かずさDNA研究所 植物ゲノム生物学研究室(白澤 健太 室長)は、農研機構、静岡大学、株式会社情報数理バイオと共同で、日本の主要カンキツ品種であるウンシュウミカン「宮川早生」の高精度ゲノム解読に成功しました。
ウンシュウミカン (Citrus unshiu)は、キシュウミカン (C. kinokuni)とクネンボ (C. nobilis)という2種の交雑に由来すると推定されており、両親に由来する異なる2つのゲノムをもつと考えられています。ウンシュウミカンのゲノム解読はこれまでも報告されていましたが、従来の解析方法では、キシュウミカンとクネンボに由来する2つのゲノム配列が区別されずに混ざった状態で解読されてしまうという課題がありました。
本研究では、最新のロングリードシーケンス技術やゲノム立体構造解析、および両親のゲノム情報を活用することで、ウンシュウミカンがもつキシュウミカンとクネンボに由来する2つのゲノムを区別して、それぞれを染色体スケールで解読することに成功しました。そして、解読データを解析した結果、2つのゲノムの各々に特異的な配列多型パターンが多数特定されました。また、各ゲノムに特異的・組織依存的な遺伝子の発現が明らかになり、特に果実の成熟過程における2つのゲノムの寄与が異なることが示唆されました。
この研究成果は、カンキツ品種におけるゲノム育種、遺伝子機能の解明、および変異解析のための研究基盤として活用されることが期待されます。
論文タイトル
Haplotype-Phased Chromosome-Scale Genome Assemblies of Satsuma mandarin Uncover Structural and Transcriptional Divergence Between Parental Haplotypes and Structural Variations in Mutant Lineages
著者
Yoshihiro Kawahara, Sachiko Isobe, Hiroshi Fujii, Kenta Shirasawa, Yukinari Kiryu, Tomoaki Watanabe, Yumiko Teramoto, Takehiko Shimada, Tomoko Endo
掲載誌
Plant and Cell Physiology
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