[第5シリーズ] 第2回
「DNAで海洋微生物を探る 〜環境DNA分析技術による有害赤潮生物の検出〜」Q & A
回答者:長井敏先生
【 質問1 】
1)プランクトンの写真がきれいなカラー画像で示されていましたが、特殊な方法で撮影をされているのでしょうか。何も前処理をしないで顕微鏡をのぞいただけでは、このように見えないと思いますが。
2)それぞれのプランクトンの塩基配列は単一種を培養して調べられているのでしょうか。培養できないプランクトンでは、塩基配列を調べるのは難しいでしょうか。
2)それぞれのプランクトンの塩基配列は単一種を培養して調べられているのでしょうか。培養できないプランクトンでは、塩基配列を調べるのは難しいでしょうか。
【 回答1 】
1)どの写真を指されているのか不明ですが、微分干渉レンズや顕微鏡を用いて撮影しているのがあるかと思います。
2)メタバーコーデイング解析では、1Lの海水をフィルターでろ過することで、細菌やプランクトンを捕集し、DNAを抽出しています。ユニバーサルプライマーと呼ばれるプライマーで特定の遺伝子領域をPCR増幅し、その配列をデータベースと照合することで、種同定(どの様な種が出現したか)を行っています。なので、この方法を使うと、プランクトンを培養しなくても塩基配列を調べることができます。
2)メタバーコーデイング解析では、1Lの海水をフィルターでろ過することで、細菌やプランクトンを捕集し、DNAを抽出しています。ユニバーサルプライマーと呼ばれるプライマーで特定の遺伝子領域をPCR増幅し、その配列をデータベースと照合することで、種同定(どの様な種が出現したか)を行っています。なので、この方法を使うと、プランクトンを培養しなくても塩基配列を調べることができます。
【 質問2 】
環境DNA分析の変数として、気温や有機塩の数値が取り上げられていました。またAIの予測では、ピークはわかっても数量は予測が難しいようでした。これからより多くの変数、例えば降水量や二酸化炭素排出量といったデータを変数として追加することはあるでしょうか。またその際、分類学者等現在研究に携わっている研究とは別の研究者(各国の産業を研究している経済学者など)と共同研究する可能性はあるでしょうか。
【 回答2 】
本研究では、水温、塩分、クロロフィル、無機態の栄養塩、降水量、日照時間、メタバーコーディング解析データ(プランクトンの出現種とその配列数)を用いて、AI解析を行いました。今後は、さらに、風や潮汐、微量金属、有機体栄養塩や代謝産物の情報も加えてAIを動かすことになると予想します。
【 質問3 】
マイナスの海水温とプラスの海水温での、発生している有害プランクトンの比較とかのdataはあるのでしょうか。
【 回答3 】
紋別のデータであれば、比較することは可能です。世界的に見ても、プランクトンの情報と水温データがセットになった論文が幾つか公開されているので、比較は可能だと思います。マイナスで出現する種は5℃でも増殖が可能です。なので、氷に付着して生活している種、‐2℃から5℃くらいに出現する冷水性種、温帯性種、熱帯種といったような区分をすることがあります。紋別市のデータに関しては、マイナスとプラスというより、異なる海流で、出現種がどう異なるかとかの方に重きをおいて解析しています。
【 質問4 】
1)赤潮発生が予測された場合の予防/処理対策は検討されているか。
2)赤潮発生要因のプランクトン等の無毒化研究はされているか。
2)赤潮発生要因のプランクトン等の無毒化研究はされているか。
【 回答4 】
1)生簀を赤潮が発生していない海域に移動させるか、深い水深帯に移動させたりします。近隣の海域で有害赤潮発生の情報を得た場合、早期出荷することで、被害金額を最小限に抑える取り組みも知られています。また、一定期間、餌止めをして養殖魚の代謝を落とすことで被害が軽減されるようです。韓国では、粘土散布して有害赤潮生物を底層に沈めて、被害を軽減する取り組みも行われています。さらに、陸上での養殖もおこなわれています。
2)無毒化というよりは、魚を殺す機序の研究や毒生産メカニズムの解明、有毒種と無毒種の差異などの研究は進められています。複数の植物プランクトンで有毒物質を生産することが報告されています。また、活性酸素や溶血活性を示すような物質を産生する種も知られています。
2)無毒化というよりは、魚を殺す機序の研究や毒生産メカニズムの解明、有毒種と無毒種の差異などの研究は進められています。複数の植物プランクトンで有毒物質を生産することが報告されています。また、活性酸素や溶血活性を示すような物質を産生する種も知られています。



