第1回「DNAで魚を探る 〜環境DNA分析技術による魚類の調査〜」
講師:山川央先生
かずさDNA研究所 研究員
配信期間:2025年10月17日(金)13時 〜 10月27日(月)13時
生態学は、生き物同士の関係や、生き物と環境の関係について研究する学問です。ある場所で生態学的研究を行なう場合、まず、そこに棲む、注目する生き物の生息状況を観察し、また、捕まえて数を数えたり個体の状態を調べたりしてデータを集め、状態を把握します。これは非常に大変な仕事で、得られる情報も全体のごく一部です。
最近、「環境DNA分析」といわれる新しい調査方法が開発されました。この方法を用いると、そこに棲む生き物の状態を一網打尽に記述でき、これまでの地道な調査と比べてより包括的な情報をはるかに効率よく取得できます。また、作業自体も生物種に関わらず同様なやり方で行え、調査作業には特別な知識や経験を必要としません。
ここでは、魚の調査を例に、環境DNA分析でどんなことがわかるのか、どんな特徴があるのか、他の手法と比べて優れた点や及ばない点などをお示し、さらに、この手法によって初めて可能になった具体的な研究についてご紹介します。