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リチャード・ロバーツ フィリップ・シャープ リチャード・ロバーツフィリップ・シャープは、分断された遺伝子仮説の発見により、1993年のノーベル賞を共同受賞しました。

リチャード・ジョン・ロバーツ(1943-)


リチャード・ロバーツ

 リチャード(リッチ)・ロバーツはイギリスのダービーで生まれました。家族は彼が4歳のときに、バースに移りました。父は機械工で母は主婦でした。父はロバーツの探究心に対してとても支援的でした。父は彼が地下室に化学実験室を造るのを手伝い、そこでロバーツは火薬や他の化学物質を作ったり研究したりしていました。

 化学への興味に加え、ゲームやパズルへも引きつけられていた彼は、研究でのキャリアを目指すようになりました。それは、科学の世界の探偵となり、化学の謎を解くチャンスとなりました。彼は[英国中部の]シェフィールド大学を 1965年に卒業し、そこの有機化学の教授の元で学位の研究を行いました。この教授は、問題解決を挑戦的なものとして扱い、学習のための決まりきった仕事としなかった、わずかな教授のうちのひとりでした。

 博士の学位を取る間、ロバーツは、ジョン・ケンドルーの本“Thread of Life: An Introduction to Molecular Biology[命の綱:分子生物学入門]”[訳注:邦題は、“生命の糸:分子生物学入門”みすず科学ライブラリー〈1〉1968年出版]を読みました。初期の結晶学と分子生物学の歴史の紹介に、ロバーツは感銘を受けました。彼は分野を変更することを決心し、分子生物学ができる研究室を選びました。ロバーツはジャック・ストロミンジャーの研究室で終身雇用の博士研究員として働くためにハーバードに行きました。

 ハーバードで、ロバーツは生化学の専門用語を覚えました。彼は、細菌の細胞壁の生合成に関わる tRNAの配列決定のプロジェクトに入りました。文献から得た知識により、彼はケンブリッジ大学のフレデリック・サンガーによって開発された放射活性を使った方法が最善であると判断しました。1970年、彼はケンブリッジ大学に行き、その技術を学びました。戻った時、ロバートはその分野の科学者にサンガー法の配列決定法を教えました。

 1972年、10分間の面接の後、ジェームズ・ワトソンは、ロバーツにコールド・スプリング・ハーバーでの職を提供しました。ワトソンは彼にSV40というウイルスのDNAの配列を決定することを望みました。ロバーツはこの職を受け入れ、ダニエル・ネイサンズから聞いていたエンドヌクレアーゼRという酵素について研究を始めました。この酵素は DNAを特異的な断片に切断します。ロバーツは、もしこのような酵素がたくさんあったら、DNAを処理可能な長さに切るのに使えるし、そうしたら配列決定に使えると気がつきました。すぐにロバーツの研究室では制限酵素のコレクションを丸ごと所有するようになりました。1970年代から1980年代のはじめにかけて、100種類の知られている酵素のうち、75種類がロバーツの研究室で単離されました。

 これらの制限酵素の一部は、アデノウイルスのDNA地図を作るのにも使われました。このプロジェクトには、ジョー・サンブルックの研究室にいたフィリップ・シャープも関わっていました。1974年、ロバーツとリチャード・ジェリナスはアデノウイルスのmRNAについて一緒に研究を始めました。彼らは、mRNAの5’末端の配列を決めたらDNAのプロモーター領域を同定することができるはずだと考えて、DNAにRNAをマッピングしました。プロモーターはmRNAの5’末端の上流にあるでしょうから。実験を通して、彼らはアデノウイルスの遺伝子は分断されているという生化学的な証拠を見つけました。ロバーツは電子顕微鏡実験を考案し、分断が事実であることを目に見える形で証明しました。1993年、ロバーツはフィリップ・シャープとノーベル生理学・医学賞を、分断された遺伝子の発見により受賞しました。

 ロバーツはまた、DNA制限酵素断片をマップし解析するコンピュータプログラムの開発を助けた最初のひとりでした。彼は、分子生物学でのコンピュータの使用の初期の提唱者でした。

 1992年、ロバーツは、ニュー・イングランド・バイオラボに移りました。今、彼は2人いる研究統括のひとりです。基礎研究に加えて、この会社は研究試薬を開発して販売していて、制限酵素の生産で有名です。

 ロバーツは今でもパズルやゲームが大好きです。彼のお気に入りのクローケーはスヌーカーの技術とチェスの戦法を組み合わせたものだそうです。彼の問題解決の精神は、“1997年の美男子科学者カレンダー”に現れたり、ハーバード大学で行われる(ノーベル賞の“対極”としてある)イグ・ノーベル賞の授賞式に毎年出かけたりすることからも分かるように、とぼけたユーモアによって鍛えられています。

factoid Did you know ?

リッチ・ロバーツはDNA法医学の専門家として証言した、最初のひとりです。彼はDNAのフィンガープリントデータを検証し、法廷でその有効性について証言しました。

Hmmm...

細胞は、どのようにイントロンとエクソンの違いを知るのでしょうか?細胞は、どのようにしてエクソンを正しく組み合わせて一緒にして、mRNAを作るのでしょうか?