タイヌビエのゲノムを高精度解読 ~ 除草剤に抵抗性を持つ水田の雑草タイヌビエの 高精度ゲノム解読に成功~
2023/11/7
研究開発かずさDNA研究所は、京都大学・秋田県立大学と共同で、複数の除草剤への抵抗性を持つ水田の雑草「タイヌビエ」の全ゲノムを高精度に解読しました。
タイヌビエは水田に生える雑草で、防除には除草剤が有効であることが知られています。しかし、近年複数の除草剤に抵抗性を示すものが報告されています。また、水田以外の農耕地でも形が違うタイヌビエが見つかっていることから、今後農業被害が拡大する恐れがあります。
タイヌビエの性質を理解し防除法の開発に役立てるため、かずさDNA研究所は、京都大学、秋田県立大学と共同で、複数の除草剤への抵抗性を持つタイヌビエの全ゲノムの高精度解読を行いました。その結果、タイヌビエのゲノムは、32,337遺伝子を含むゲノムと30,889遺伝子を含むゲノムを合わせ持つ複雑な構造であることが明らかになりました。
今回得られた遺伝子の情報をもとに、今後タイヌビエが除草剤抵抗性を示すようになった原因や新たな除草剤の開発、適切な管理方法の開発が進展することが期待されます。
研究成果は国際学術雑誌 DNA Researchにおいて、11月7日(火)に公開されました。
論文タイトル:Telomere-to-telomere genome assembly of an allotetraploid pernicious weed, Echinochloa phyllopogon
著者: Mitsuhiko P. Sato, Satoshi Iwakami, Kanade Fukunishi, Kai Sugiura, Kentaro Yasuda, Sachiko Isobe, Kenta Shirasawa
掲載誌:DNA Research
詳しくはプレスリリース資料をご覧ください。
写真:水田に生えるタイヌビエ(秋田県立大学)