ホップの性決定システムの解明に成功
2025/6/23
研究開発かずさDNA研究所は、サントリーグローバルイノベーションセンター(株)、岡山大学、東京科学大学などとの共同研究の結果、ホップにおける性決定システムの解明に成功しました。
最新のゲノム解析技術を使用し、雌のホップと雄のホップそれぞれのゲノム塩基配列を決定することで、染色体レベルで一本に繋がった長鎖ゲノムを構築し、さらにホップの近縁種であるカナムグラの雄のゲノムも解析しました。X染色体とY染色体の塩基配列を比較したところ、エチレン受容体に類似した遺伝子が性決定に重要であることを見出しました。今回の研究で、ホップを含むアサ科植物の性決定システムが解明され、性決定システムのさらなる多様性が示されました。今後、この研究をもとに香味や生育の優れたホップ品種の開発が加速することが見込まれます。さらに、植物のみならずあらゆる生物の性システムの理解が進むことが期待されます。
論文タイトル:Evolution and functioning of an X–A balance sex-determining system in hops
著者:Takashi Akagi, Tenta Segawa, Rika Uchida, Hiroyuki Tanaka, Kenta Shirasawa, Noriko Yamagishi, Hajime Yaegashi, Satoshi Natsume, Hiroki Takagi, Akira Abe, Miki Okuno, Atsushi Toyoda, Kyoko Sato, Yuka Honniden, Cheng Zhang, Koichiro Ushijima, Josef Patzak, Lucie Horáková, Václav Bačovský, Roman Hobza, Deborah Charlesworth, Takehiko Itoh & Eiichiro Ono
掲載誌:Nature Plants
DOI:10.1038/s41477-025-02017-6
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