次世代創薬技術「標的タンパク質分解」を加速
2026/4/3
研究開発![]()
かずさDNA研究所(長谷川嘉則グループ長)は、愛媛大学、徳島大学、東京薬科大学、科学技術振興機構(JST)と共同で、タンパク質分解創薬の鍵となるDCAF(DDB1- and CUL4-associated factor)ファミリーの機能を網羅的に解析しました。
近年、病気の原因となるタンパク質を選択的に分解する「標的タンパク質分解(Targeted Protein Degradation: TPD)」という新しい創薬戦略が世界的に注目されています。TPDでは標的タンパク質そのものを分解することができるため、薬剤で標的化することが難しかったタンパク質に対しても新しい治療アプローチを提供できる可能性があります。DCAF(DDB1- and CUL4-associated factor)ファミリーは、サリドマイドなどのタンパク質分解薬の標的となっています。しかしながら、これまでの研究ではDCAFファミリーの多くについて、その機能や細胞内での役割は十分に解明されていませんでした。
本研究では、標的タンパク質の近傍に存在するタンパク質を細胞内で標識することができる近接タンパク質標識技術「AirID」を用いて、各DCAFタンパク質の周囲に存在するタンパク質群を細胞内で網羅的に同定しました。さらに、各DCAFが細胞内でどのようなタンパク質群と相互作用しているのかを示す「タンパク質相互作用ネットワーク」を構築しました。
本研究成果は、タンパク質分解機構の理解を深めるとともに、次世代創薬アプローチである標的タンパク質分解技術の可能性を広げ、その研究開発を加速させる重要な基盤研究となることが期待されます。
詳細は愛媛大学プレスリリース資料をご覧ください。
論文タイトル:An interactome-based framework for DDB1- and CUL4-associated factor prioritization in targeted protein degradation
著者:Satoshi Yamanaka,Koya Nagaoka,Yuki Shoya,Kohei Nishino,Yumi Mikura,Kenshi Tanaka,Keisuke Konishi,Yoshinori Hasegawa,Atsushi Hijikata,Hidetaka Kosako,and Tatsuya Sawasaki
掲載誌:Molecular Cell
DOI:10.1016/j.molcel.2026.03.004

