Manual PowerGet PowerFT MainWorkFlow PeakCharacterization
解析ステップ3)Peak Characterization - ピークの特徴付け
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解析ステップ2で有効に設定したピークを用い、溶出時間が近くて形状の似たものをグルーピングします(これをデコンボリューションと呼びます)。デコンボリューションされたピークの中で、同じ化合物に由来すると考えられる13C同位体グループのグルーピングや、付加体イオンバリエーションの判定などを行います。
ツールの起動
ホームディレクトリを選択した状態で、メイン画面のAnalysisからPeak Characterizationを選択します。ツール画面が開きます。
データの読み込み
ツールのFileメニューから、Open Analysisを開き、解析名を選択してOKを押します。進捗ウィンドウが消えればデータの読み込み終了ですが、この時点ではツール画面上に何も表示されません。
デコンボリューション
デコンボリューションのパラメーター設定に従って、デコンボリューションを行います。
パラメーター設定
SettingメニューのDeconvolution Settingで設定します。
項目 | 意味 |
---|---|
Max distance between Peak Tops | ピークトップの溶出時間の許容量 |
1) p-value of t-test | ピークトップ周辺の2×σ(=半値幅)が重なるかどうかをt-検定した場合のp-value |
2) cos theta correlation coefficient | ピークトップ周辺の2×σ(=半値幅)のコサイン相関係数 |
3) p-value of cos theta CC | 2)を行ったときのp-value |
1)~3)の条件は、空欄を入れると無視されます。
デコンボリューション実行
AnalysisメニューのDeconvolutionを選択すると、デコンボリューションが実行されます。計算が終わると、ツール画面の左側、Deconv. Groupsの表に、データが表示されます。(11, adductIon.ini, ionization.ini)
結果表示
Deconv. Groupsのデータをクリックすると、右側にデータが表示されます。右側にデータが表示される際、イオン付加体の設定に基づいて、13C同位体ピークのグルーピングと、イオン化状態の判定がなされます。
表の名前 | 意味 |
---|---|
13C Iso. Grps. | 13C同位体グループとしてまとめられたもの。すなわち、化合物の種類を示しています。Member Numberには、13C同位体グループとしてまとめられたReal Peakの数が表示されています。base m/zは、同位体グループ内で最小のm/zを持つReal Peak、すなわち12Cからなるモノアイソトピックイオンのm/zです。13Cの同位体グルーピングの他に、イオン化状態等の判定がなされたものは、IonizationやBase、Targetの欄に表示がされます。 |
Peak Chars. | このデコンボリューショングループの中で、13C同位体グループ以外で特徴付けされたピークがある場合、そのピーク間の関係を、ピークのペアとして全て示します。peak Aとpeak Bのm/zの他 |
Peak Info. | 13C Iso. Groups.の行をクリックすると、その構成メンバーであるReal Peakに関する情報が表示されます。下部にあるShow Allを押すと、デコンボリューショングループに含まれる全Real Peakの情報が表示されます。 |
イオン付加体の検出設定
SettingメニューのAdduct Ion Settingsを選択してください。下記の設定画面が表示されます。
設定の方法は、PowerFTメイン画面のメニュー解説中のAdduct Ions設定と同じです。ただし下記のような大きな違いがあるのでご注意ください。
Peak Characterizationから開く設定画面と、PowerFTメイン画面から開く設定画面とでは、異なる設定ファイルを参照しています。
メイン画面から開く設定画面では、PowerGet起動フォルダ中にある大元のファイルを参照します。 一方、Peak Characterizationから開く設定画面では、その大元ファイルが解析フォルダにコピーされたものが参照されます。編集結果も、それぞれのファイルに反映されます。
このため、Peak Characterizationから編集した内容は、大元ファイルには反映されません。 また、一度Peak Characterizationを行った後に、メイン画面から大元ファイルを編集しても、現在の解析には反映されません。
このような関係は、Adduct Ion Settings画面から呼び出すことができるIonization Mode Settingsについても、同じことが言えます。
編集する上では、この点にご注意ください。
全ピークの特徴付け
デコンボリューショングループをクリックして見ることができるピーク判別結果や、2D View、Group Peaks Viewウィンドウ(後述)で、適当な特徴付けが行われていることが確認できたら、全ピークに対して、その特徴付けを実行します。
AnalysisメニューのCharacterize All and Outputを選択してください。進捗ウィンドウが消えれば処理は終了です。
データ可視化ツール
Windowメニューには、下記のデータ可視化ツールが収められています。デコンボリューションの状態やピークの特徴付けが適切かどうかの判断にお役立てください。
2D View
マスクロマトグラム全体を二次元で表示し、その中に、デコンボリューションしたグループを描画します。Peak Selectionの2D View画面と同様ですが、デコンボリューショングループに含まれるピークのピークトップが緑の縦線でつながれて表示されています。
ツール画面のDeconv. Groupsからデコンボリューショングループを選択すると、選択されたグループは青の縦線で連結されます。
Group Peaks View
上部のパネルでは、デコンボリューションしたピークが、溶出時間を横軸に、強度を縦軸にして、色分け表示されています。デコンボリューショングループに含まれていないピークは、点線で表示されます。水色の点線は、Peak Selectionで有効(valid)としたもの、灰色の点線は無効としたものです。ピークトップは、ピーク中央付近の縦棒で表されています。
下部のパネルは、m/zを横軸に、強度を縦軸に表した図です。
ツール画面右側の三つの表中をクリックすると、クリックしたピークやグループの情報がパネル中で赤くハイライトされて表示されます。
上部パネルのShow only selected m/z regionをチェックすると、下部のパネルの範囲選択と連動して、その中に含まれるピークのみが表示されるようになります。
Peak Info
一度Characterize All and Outputを行って全件の特徴付けを行った後で選択すると、Peak Information画面が表示されます。どの様なピークが何個得られたかを要約しています。BaseとTargetの関係が分かりづらいので参考程度にご覧ください。Singleと書かれているものは、13C同位体グループにならなかった単独ピークをカウントしたものです。