食べ物の好みも遺伝子で決まる?(NL59)

肥満は多くの病気の要因ともなるため、様々な研究が行われており、80ヶ所以上の遺伝子座が BMI(肥満指数)や体脂肪分布(腹部に脂肪がつきやすいなど)と関連づけられています。

このうち、主に脳で働くメラノコルチン受容体遺伝子 MC4R は、脳の視床下部や脳幹で身体の内部環境の恒常性を保つのに重要な働きをしています。抗肥満ホルモンとして知られるレプチンは、MC4R を活性化して食欲を抑制すると考えられており、MC4R 遺伝子に変異があってうまく働かなくなると、食欲が旺盛になり、肥満傾向になることが知られていました。

今回、英国の研究グループは、MC4R 遺伝子に変異のある人は、変異のない人より脂肪の多い食品を好み、糖分の多い食品を好まない傾向にあることを示しました。

脂肪や糖分は、身体を動かすエネルギー源となるため、ほとんどの人がおいしいと感じるとされています。特に脂肪は同じ重さの糖分に比べてカロリーが2倍以上あり、体内に容易に蓄積されます。常に飢餓状態にあった私たちの祖先の生活の中では、MC4R 遺伝子の変異による、脂肪を好む体質は生存に有利だったのかもしれません。主に脳で働く遺伝子が味覚を決めているとは驚きですね。