運動せずに身体を鍛える?(NL60)

「運動しないでも身体が鍛えられたらなぁ」とつぶやく人もいるかもしれません。米国の研究チームは、マウスを使った実験で、運動したときに活性化される PPARd 遺伝子を、運動することなく活性化することに成功しました。

マラソンなど持久力を要するスポーツでは、エネルギーを補給せずに長時間の激しい運動を続けると、エネルギー不足(極度の低血糖状態)により身体が動かなくなることがあります。運動で身体を鍛えると、ある程度は、炭水化物(ブドウ糖やグリコーゲン)の枯渇を遅らせることができるようになり、持久力が増していきます。持久力がつくとは、筋肉が最初にブドウ糖を、続いて有酸素運動によって脂肪を燃焼させることによって、効率よくエネルギーを得ることができるようになることです。

今回、PPARd タンパク質を特異的に活性化する低分子化合物(GW501516)をマウスに投与したところ、運動しなくても、脂肪酸の酸化の上昇や低血糖を防ぐための協調的なブドウ糖代謝の減少が観察されました。さらに普通のマウスと比べて 70% も長い時間走ることができました。

将来、お年寄りや疾患により運動ができない人が、薬を飲むだけで運動したときと同様の効果が得られたり、メタボの治療や健康体を維持するための薬になるかもしれません。