ヒトの標準ゲノム(NL66)

 2003年にヒトゲノム計画が完了し、2007年に2人の研究者のゲノムが公開されて以降、新しいタイプのDNA塩基配列解析装置(シークエンサー)の開発もあり、今では1人分の全ゲノムの配列解析が10万円以下できるようになっています。

 続けて解析できる配列の長さは最新の装置でも数万塩基対ですが、ヒトの染色体は最も短い21番でも約4671万塩基対あります。そのため全ゲノムの組み立てでは、参照配列と呼ばれるベースとなる配列を基準として、コンピューター上で新たに解析した配列を並べていくのです。現在は2013年に発表されたGRCh38が用いられていますが、世界中で個人のゲノムが解読されつつあるなかで、GRCh38にない配列が多くみつかってきています。

 米国の研究グループは、アフリカ系米国人910人のゲノムを解析したところ、GRCh38にない配列を3億塩基対(12万5000ヶ所)みつけました。この配列のうち1.2億塩基対は、最近解析された中国人や韓国人のゲノムとは一致していたようです。

 同様の解析は日本でも行われており、東北大学では3人分のデータからGRCh38にない620万塩基対を明らかにしています。ヒトゲノムの解析は一筋縄ではいかないようです。