細胞培養技術による人工肉(NL47)

肉の消費量は、中国など経済成長が著しい国を中心に増加しています。世界的な肉食指向は一方で、食糧や環境問題の原因の一つになっています。

牛肉 1kg を生産するためには 11kg のトウモロコシに相当する飼料が必要とされており、世界の農地の約 70% は家畜を育てるために使用されていると推測されている程です。また、家畜は二酸化炭素排出量の 5%、メタンガス排出量の 30% の原因にもなるといわれています。

もちろん、心情的に家畜の飼育は残酷だという人達も多いでしょう。

そこで、細胞培養技術を用いて人工的に肉を作り出す技術を確立できないかと考えた研究グループが、2013 年 8 月に彼らが「培養」した人工肉の試食会を行いました。

牛の筋肉から取り出した幹細胞を 6 週間かけて培養し、できた筋繊維のシートを何層にも重ねた人工肉を赤い根菜の汁で色付けして、パン粉や卵を加えてハンバーグ状に加工しました。脂肪組織などが含まれないことから淡白な味だったとのことですが、驚くことに 140 グラムの人工牛肉バーガーの製作に、なんと、25 万ユーロ(約 3,525 万円)以上が費やされたのです。

研究グループによると、製造コストが下がり食肉価格の高騰が進めば、今後 10 年~ 20 年で市販される可能性があるとしています。そこまでしてお肉が食べたいのか、と思うのは私が日本人だからでしょうか?

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