DNAを読む時代から書く時代へ(NL57)

1990 年に 30 億 US ドルの予算で発足したヒトゲノムプロジェクト [今回の報告では、《ヒトゲノムプロジェクト−read(=読む)》と呼んでいる] は、DNA 配列を解析する技術を向上させて 2004 年に終了しました。今やヒト 1 人分のゲノムを解析するコストは 10 万円を切り、次世代シーケンサーを活用した様々な分析法の開発も進んでいます。

このような状況の中、ニューヨーク大学のジェフ・ポーク博士を含む 25 人の研究者は、今年 6 月、ヒトの完全なゲノムを合成して細胞内で機能させることを目指す《ヒトゲノムプロジェクト-write(=書く)》を今年中に開始したい、とする論文を発表しました。プロジェクトにより、DNA 合成にかかるコストを下げ、合成生物学などの新しい生物学の分野の発展に貢献しようとするものです。

このプロジェクトにより、基礎研究だけでなく、医療応用技術の発展も期待されていますが、親が希望する外見や能力を持ったデザイナーベイビーや、遺伝的に親のいない子供の誕生につながると危惧する声もあります。