ヘビのからだのつくられ方(NL58)

多くの動物では胚発生時に、手足などのできる場所を決める“体節”が体軸に沿ってつくられます。爬虫類のなかでも、胴が長く、手足のないヘビはゲノム配列のどのような変化でその体を手に入れたのでしょうか。

欧米の研究グループは、Gdf11 遺伝子を欠いたマウスで肋骨の数が増えることに気づき解析したところ、iPS 細胞作製に必要な Oct4 遺伝子が、胚発生時に体軸の後方で発現していました。そこで、Oct4 を体軸の後方で長く発現するようにしたマウスを作製したところ、肋骨が 30 本にまで増加しました。肋骨の多いヘビでも同様な Oct4 の発現があり、Oct4 の発現時間の長さが肋骨の数を増やし、胴の長さを決めていることが示唆されました。

また、米国のグループは、手足の形成に関わる Shh 遺伝子の上流部分である ZRS と呼ばれる領域の DNA 配列を 6 種のヘビとシーラカンスやヒトなどと比較し、ヘビに特異的な 17 塩基の欠失を見つけました。そこで、マウスの同じ部分をゲノム編集技術を用いてヘビ型に変えたところ、手足のもととなる場所で Shh 遺伝子の発現がなくなり、手足が失われたマウスが誕生しました。

これらの研究は、遺伝子発現のちょっとした変化で見た目の変化が生じることを示しています。