タバコとがん(NL58)

喫煙ががんの発症と関連があることは、疫学的調査やタバコに含まれる多種類の発がん物質により明らかですが、実際にタバコが私たちの体にどのような影響を与えているのかについては、まだよく分かっていないところがあります。  そこで日米欧の研究グループは、国際がんゲノムコンソーシアム(ICGC)が 17 ヶ国で収集したがんゲノムデータから、喫煙者と、喫煙歴の全くない人に生じた、17 種類のがん(5243 症例)のがんゲノム変異データを解析し、タバコがゲノムに与える影響を調べました。
すると、これまでの研究でも示されているように、喫煙者のがんでは突然変異が有意に多く見つかりました。その増加率を喫煙量で計算したところ、1  年間毎日 20 本喫煙した場合に、肺で 150 個、喉頭(のどの下方)では 97 個の突然変異が蓄積すると推計されるとのことです。

また、さまざまな部位にあるがん細胞の突然変異のパターンから、肺や喉頭、肝臓などではタバコに含まれる発がん物質の直接的な作用により突然変異が生じていること、膀胱や腎臓などでは、発がん物質とは異なる別の間接的な影響により突然変異が生じている可能性があることなどが分かりました。

日本では喫煙者のがんで死亡するリスクは、吸わない人に比べて男性で 2 倍、女性で 1.6 倍あるのだそうです。まずはその1本から、減らしてみませんか。