呼吸をしない微生物(NL61)

深海の熱水噴出孔の 120℃ ほどの高温に生息する超高熱メタン菌など極限環境条件でも生きる微生物がいます。このような環境は、原始的な地球の環境とよく似ていると考えられ、そこに生息する微生物から生命誕生の秘密を探る研究が行われています。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、米国カリフォルニア州の山中にある「ザ・シダーズ」と呼ばれる場所の強アルカリ性の泉に生息する微生物を採取・濃縮し、そのゲノムを解読しました。泉の水には酸素がなく、また栄養やDNAの材料となる炭素、窒素、リンなどもほとんどない、生命にとっては過酷な環境です。

配列データを再構築して得られた 79 個のゲノムのうち、地下深くから得られた 57 個体の微生物のゲノムの解析により、これらの微生物は普通の生物のもつ「酸素を使って呼吸をする」「エネルギーをつくる」働きをする遺伝子がなく、遺伝子を 400 個ほどしか持っていないことが明らかになりました。

ゲノム解析によりこれらの微生物は増殖していることは確認できましたが、エネルギーを獲得する方法はまだ分かっていません。地球上には、まだまだ私たちが見つけていない生命が存在するようですね。