24時間働けますか?(NL49)

かつて、「24時間働けますか?」というCMが流行しましたが、植物の世界でも人工光源のもとで24時間光合成ができる種と、光を当て続けられるとしなびて弱ってしまう種があるそうです。
葉野菜のレタスなどは連続光で生育させることができるので、24時間稼働の植物工場を併設し、そこで育てた野菜を提供する外食チェーン店もでてきています。
トマトについては、16時間以上の連続光で葉に損傷が起こることが、古くから知られていました。

そこで、オランダの研究グループは、南米を原産とする野生種のトマトの中から連続光照射に耐える品種を選別し、そのゲノムを解析しました。
その結果、連続光照射に対する耐性を与える光合成に関わる遺伝子(CAB-13)を見つ けました。
この遺伝子をDNAマーカー育種法により栽培種に導入し、作出した品種について連続光下で生育させたところ、16時間の条件で栽培した苗に比べてトマトの収穫高が最大で20%増加したとのことです。なお、味には影響しなかったようです。
照明などにかかるコストを考えると現時点ですぐに実用化されることはなさそうですが、将来、宇宙ステーションで生活 するようになっても、トマトが添えられたフレッシュサラダを食べることができることは確実なようです。

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