長寿に関わる遺伝子(NL50)

今では人生80年と言われていますが、世界には100歳以上まで生きる人もいます(最高齢記録は122歳のフランス人女性)。
なぜ長寿の人は長生きできるのでしょうか?
双子の寿命の研究や、長寿者の家族には同じく長寿の人が多いことなどから、長寿にはなにか遺伝的なものが関与していると考えられています。
酵母や線虫、ショウジョウバエを用いた研究では、遺伝子発現に影響する遺伝子や、呼吸や代謝に関わる遺伝子が長寿と関係しているとされていますが、ヒトでは、これまでのところ、これらの遺伝子と長寿との関係性は示されていません。

このほど、米国のグループが米国に在住する110-116歳の超長寿者の女性16人と男性ひとり(うち14人はヨーロッパ系)のゲノムを調べて、長寿に関わる遺伝子を探しました。 調査の結果、少なくとも今回の方法では、長寿者だけが持つ遺伝子(変異)は見つからなかったとのことです。生活習慣についても 半分は喫煙者であったりと、特に共通するものはなかったようです。
サルを用いた研究からは、カロリー制限が寿命の延長に効果があるという報告がされていましたが、最近になって議論が再燃しています。結論に至るにはまだまだ時間がかかりそうです。

HJ Gierman et al.
Whole-genome sequencing of the world’s oldest people.
PLoS One. 2014 Nov 12;9(11):e112430.
DOI: 10.1371/journal.pone.0112430. eCollection 2014.

JA Mattison et al.
Impact of caloric restriction on health and survival in rhesus monkeys from the NIA study.
Nature. 2012 Sep 13;489(7415):318-21.
DOI: 10.1038/nature11432.

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