皮をむいても 褐色にならないリンゴ(NL47)

皮をむいても褐変しない遺伝子組み換えリンゴの商業化をめざしているカナダの企業が、アメリカとカナダで安全性評価を申請しています。早ければ2015年にもこのリンゴが小売 店で販売されるようになるとのことです。
皮をむいたリンゴをなにもせずにそのまま置いておくと、茶色に変色します。これは、リンゴに含まれるポリフェノール類が空気中の酸素に触れると、リンゴに含まれる酵素によって酸化されるからです。
この酵素を作る遺伝子の働きを抑えるしくみを導入することで、変色を抑えるのです。
このしくみの元となる現象はRNA干渉といい、基本的な細胞機能に関わっているものです。 日本では、青森県で従来法によって育種された酵素活性が低く、ポリフェノール類の量が少ない品種が販売されているようですが、栽培本数が少なく、栽培地域外の市場に出ることは稀なようです。
リンゴは種を蒔いてから実がなるようになるまで、6-7年かかります。交配してできた候補の中から選別して栽培試験を行い、新品種が誕生するまでには順調に進んでも14-15年かかるのだそうです。
変色しないリンゴを用いると、カットフ ルーツなどへの加工が容易になることから、リンゴ全体の売り上げ増につながると期待されています。
どんな味と香りなのでしょうね?一度食べてみたいものです。

Arctic apples
リンゴ研究所(青森県)

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