嗅覚の優れた動物は?(NL50)

いちばん鼻が利く動物は、何だと思いますか?
麻薬探知犬として活躍しているイヌ?それとも・・・?
その疑問に遺伝子解析で答えを出したのが東京大学のグループです。似た機能を持つ遺伝子どうしは、良く似たアミノ酸配列を持つことが知られています。そこで、現在ゲノムが解読されて公開されている13種類の哺乳類のゲノム情報の中に、におい分子を認識する嗅覚受容体の遺伝子がそれぞれ何個ずつ存在するかを調べました。

これまで報告された中では、ラットの約 1,200個が最も多く、イヌは811個、ヒトは396個でしたが、今回、ゾウが約2,000個とこれまで調べられた中ではもっとも多くの嗅覚受容体を持つことがわかりました。
また、この嗅覚受容体に関して、偽遺伝子と呼ばれている、今では機能しない遺伝子の残骸を含む領域もゾウには約2,300個ありました。これらの情報を元に個々の臭覚受容体遺伝子がたどってきた道筋を逆にたどることで、哺乳類の祖先種が781個の嗅覚受容体を持っていたと推定しています。
ゾウは、遠く離れた水源のにおいを嗅ぎ分けると言います。訓練次第でいろいろなにおいを嗅ぎ分けられる“センサーゾウ”を育てることも、可能かもしれません。

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