古代人の腸内細菌(NL76)

ヒトの腸内には多種類の微生物が棲んでいます。腸内微生物の種類と割合は、採取したサンプル中のDNA配列をまとめて解読するメタゲノム解析で知ることができますが、個人間に違いがあります。

産業化の影響で腸内微生物の多様性が失われ、肥満や自己免疫疾患などに関連するのではないかと言われています。このたび米国南西部とメキシコで採取された1000-2000年前の古代人の糞便をメタゲノム解析し、その頃のヒトの腸内微生物を現代人のものと比較することができました。

15個の古代糞便を調べたうち、確かに人間のもので土壌微生物の混入がなくDNAの品質が保たれた8個を選びました。再構築された498の微生物ゲノム配列を様々な面から検討し、181の微生物ゲノムをヒト腸内微生物のものと特定しました。そのうち約4割は、これまでヒト腸内微生物として記述されていないものでした。

古代と現代人の糞便に見いだされた古細菌のゲノム配列を比較して分岐年代を出すと、ヒトがベーリング海峡を渡って米大陸に移住した年代と矛盾のない結果が得られています。

 

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