キヌアの全ゲノム解読(NL57)
キヌアは南米アンデス地方原産の植物で、ホウレンソウやテンサイなどと同じヒユ科の雑穀です。近年、栄養価が高いスーパーフードとして注目されており、スーパーなどでもみかけるようになりました。小麦アレルギーの原因物質であるグルテンを含まないことから、小麦にアレルギーのある人も食べることができます。
キヌアは、干ばつや高塩濃度などの不良環境に対する適応性が高い一方で、雑種ができやすく、種子にサポニンという有毒成分を含み、種子が脱落しやすいなど、野生的な性質を多く持っています。
研究グループでは、キヌアの遺伝子資源を利用しやすくするために、分子解析に適した純系の系統(標準自殖系統)を確立し、そのゲノムを解析しました。そして、この情報を元にキヌアのゲノムデータベースを作成しました。
今後は、栽培しやすく、生産量の高い品種などの育成が期待されています。
かずさ DNA 研究所と国際農林水産業研究センター、京都大学、石川県立大学、株式会社アクトリーとの共同研究