寄生植物ストライガの養水分収奪機構(NL67)

 ストライガは「魔女の雑草」の異名を持つ寄生植物で、特にアフリカのサハラ砂漠より南の地域において食糧生産に甚大な被害をもたらしています。ストライガはイネ科作物の根に寄生し、宿主から養水分を奪って成長してきれいな紫色の花を咲かせますが、宿主植物を枯死させてしまいます。その種はとても小さく(0.2mm)熱に強いために土壌から取り除くことは不可能で、また有効な除草剤が無いことから被害が拡大しています。
 
 今回、神戸大学や宇都宮大学との共同研究で、ストライガの寄生のしくみを解析しました。ストライガは宿主より活発な蒸散*を行うことで、宿主から養水分を奪っています。
*放熱や根から水分を摂取するために、大気中に水蒸気を放出すること

 多くの植物では水不足にさらされると、植物ホルモンのひとつであるアブシシン酸(ABA)の働きにより、気孔と呼ばれる葉の裏側にある小さな穴を閉じて蒸散を抑制しています。しかし、ストライガでは遺伝子変異によりこのしくみがうまく働かず、ABAがあっても活発な蒸散を維持して、宿主を渇水状態にすることが分かりました。

 今後はこのしくみをターゲットとした防除方法の開発に期待が持たれています。