エキビョウキンに強いトマト 品種の開発に道(NL62)
当研究所は、エジプトの研究グループと共同で、トマトのエキビョウキン(疫病菌)抵抗性遺伝子の位置を特定し、DNAマーカー選抜育種に利用可能なDNAマーカーを開発しました。
エキビョウキン(Phytophthora infestans)は、1840年代にアイルランドでジャガイモ飢饉を引き起こした病原菌として知られています。現在でもエキビョウキンは世界中のジャガイモやトマトの生産に打撃を与えているため、エキビョウキンに抵抗性をもつ品種の開発が必要となっています。 エキビョウキンに抵抗性を示す性質はトマトの野生種に見つかっており、これを栽培トマトに導入できれば、エキビョウキンに抵抗性のあるトマト品種が開発できるようになります。
今回の研究では、先進的なゲノム解析技術(ddRAD-seq解析法)を利用して、非常に短期間で、エキビョウキンの抵抗性遺伝子のゲノム上の位置を特定することに成功しました。さらに、このエキビョウキン抵抗性遺伝子をトマトの育種に効率よく利用できるように、DNA分析によりエキビョウキン抵抗性遺伝子を選抜することができるDNAマーカーを開発しました。
図はエキビョウキン感受性(A)と抵抗性(B)の株
この研究は、当研究所とエジプト農業研究センター植物病理学研究所、カフレシシク大学とカイロ大学との共同研究