ツルマメ(野生ダイズ)の全ゲノム解読(NL50)
ダイズはタンパク質やカルシウムを多く含むため、栄養源として重要です。日本では縄文時代頃にはすでに栽培されていたようですが、欧米には 18-19 世紀になって広がりました。今では、油(食用・燃料用)の生産や畜産動物の飼料用として、アメリカ・ブラジル・アルゼンチンの 3 カ国が全世界の 3/4 を生産しています。
今後も世界的に需要が増えると考えられており、これまで耕作に不向きであった土地でも栽培可能な品種の開発が求められている中で、より生産性の高い品種をつくるために野生種との交配が行われています。これまでにも交配は幾度となくトライされているようですが、優良形質のみを栽培種に移すことは容易ではありません。
そこで、ダイズの野生種と言われているツルマメのゲノムを解読し、栽培化の過程で失われてしまった遺伝子をみつけました。この中には、耐塩性に関わる遺伝子もあり、うまく栽培種に導入できれば、連作や砂漠化で塩濃度が高くなってしまった土地で栽培できる大豆品種ができる可能性があります。
かずさ DNA 研究所と香港中文大学、BGI、中国農業科学院、香港大学との共同研究