ダイコンの全ゲノム解読(NL50)
ダイコンといえば、ほとんどの方が青首ダイコンをイメージされるかと思いますが、日本国内には桜島ダイコンなどのように丸い形のもの、赤いサラダダイコン、細長い守口ダイコンなど数百もの地方在来種があります。同じ種でここまで大きさや長さに変化がある野菜は他にはありません。
しかし、耐病性があり、成長が早く、生食でも柔らかく食べやすいことから、現在では栽培されているダイコンの約 90% が青首ダイコンなのだそうです。その反面、地方在来種の中には残念ながら近年になって失われてしまったものもあります。
今回、多くの品種を代表して青首ダイコンのゲノムを解析し、それを元に青首ダイコン 3 品種(青首、耐病総太り、夢誉)、さや取りダイコン(インドや東南アジアで若さやを食用にする)、桜島ダイコン、辛みダイコン2品種、西町理想ダイコン(漬けもの用)の 8 品種の持つ 1,000 個以上の遺伝子について塩基配列の変異を明らかにして、育種に有用な情報を得ました。これらの情報は、地方在来種の保護や新しい品種の開発に応用されます。
かずさ DNA 研究所と東北大学、岩手大学、農研機構野菜茶業研究所、タキイ種苗株式会社との共同研究