第1回「遺伝子による花の形づくり」

講師:平野博之(東京大学名誉教授)

配信日時:2023年11月18日午後1時〜11月26日午後12時

 動物や植物の織りなす生命現象は,元をたどれば,すべて遺伝子のはたらきによるものです。私たちは多様な花に囲まれていますが,この花がつくられるのも遺伝子のはたらきです。花には,ガク,花びら,おしべ,めしべの花器官があります。これらの花器官は,どのような遺伝子のはたらきによって作られるのでしょうか?

 突然変異が起こりある遺伝子のはたらきが失われてしまうと,ガクが花びらになったり,めしべがおしべになったりします。このような突然変異体を調べる遺伝学的な研究によって,遺伝子による花の形づくりの仕組みが明らかになってきました。さらに,分子生物学の技術を駆使して,その遺伝子の実体であるDNAがクローニングされ,分子レベルでの花の形づくりのメカニズムも解明されるようになりました。

 本講演では,遺伝子のはたらきによる花の形づくりの仕組みとそれを解明してきた遺伝学的・分子生物学的な研究について,紹介したいと思います。

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