日本シバの全ゲノム解読に世界で初めて成功

2016/3/15

研究開発

~市場価値の高い日本シバの育種が可能に~

(公財)かずさDNA研究所と宮崎大学は、東北大学、トヨタ自動車株式会社と富士化学株式会社との共同で、日本シバ3種(シバ;学名Zoysia japonica、コウシュンシバ;学名Zoysia matrella、コウライシバ;学名Zoysia pacifica)のゲノムを解読しました。

日本シバはゴルフ場をはじめとするスポーツ施設や、造園、土木用などとして国内外で幅広く利用されています。平成25年の出荷額は前年比16%増の73億円(農林水産省平成25年花木等生産状況調査)で、平成28年2月現在、国内で45品種が品種登録されています。

日本シバのゲノムや遺伝子の特徴を明らかにし、遺伝情報を活用することで、生産者と消費者のニーズに合った市場価値の高い日本シバの育種が大きく加速することが期待されます。また、シバは、イネ、コムギやトウモロコシと同じイネ科作物で、これら主要作物にない環境適応能力を有することから、シバの遺伝情報を用いることで、過酷な条件下で生育できるイネ科作物を育成することも可能となります。

研究成果は、DNA Research誌で2016年3月15日にオンライン公開されています。
論文(英文)は以下のサイトからご覧いただけます。
http://dnaresearch.oxfordjournals.org/content/early/2016/03/11/dnares.dsw006.abstract

写真:日本国内に広く分布しているシバ属3種
左から、シバ、コウシュンシバ、コウライシバ

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