インゲンマメの亜鉛含量制御遺伝子座を同定 -栄養改善につながる品種育成に期待-

2025/8/6

研究開発

かずさDNA研究所、新潟大学は共同でインゲンマメの亜鉛含量を制御する遺伝子座を同定し、
その原因遺伝子候補を見出しました。

インゲンマメは世界で食用利用が最も多いマメ科作物です。中南米に起源をもち、世界中で栽培されています。ルワンダやその周辺諸国は一人当たりのインゲンマメ消費量が世界トップクラスで、その栽培や育種も盛んに行われています。

亜鉛や鉄の摂取量が不足すると、特に女性や子供で貧血症状が現れることが多く、「隠れた飢餓」として知られています。このような微量な栄養素を多く含む品種を育成し、栄養状況の改善を図ることを生物学的栄養強化と呼び、重要な取り組みとして注目されています。本研究では、192系統のインゲンマメを用いてゲノムワイド関連解析(全ゲノムを対象に有用形質に関係する領域を探索する最新の解析法)を行い、亜鉛含量に関連する遺伝子座が第11染色体末端にあることを明らかにしました。さらに、この領域を詳細に解析した結果、金属イオンの代謝に関与すると考えられる2つの遺伝子が、インゲンマメの亜鉛含量を制御している可能性が高いことが明らかになりました。

本成果は、亜鉛を多く含むインゲンマメの効率的な育種に役立つ知見であり、品種改良への応用が期待されます。

 

論文タイトル:Genetic control of seed iron and zinc concentration in Rwandan common bean population revealed by the Genome Wide Association Study (GWAS)

著者:Floride Mukamuhirwa, Kenta Shirasawa, Ken Naito, Edouard Rurangwa, Viateur Ndayizeye, Alphonse Nyombayire, Jean Pierre Muhire, Mahalingam Govindaraj, Norikuni Ohtake, Keiichi Okazaki, Moeko Okada, Eigo Fukai

掲載誌:Breeding Science

DOI:10.1270/jsbbs.24087

詳しくは新潟大学のプレスリリース資料をご覧ください。

 

 

 

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