沖縄産パインアップルのゲノムを解読しました 国産ブランド品種の育成に貢献

2022/5/17

研究開発

かずさDNA研究所は、日本大学生物資源科学部、沖縄県農林水産部農業研究センター、農研機構と共同で、沖縄産パインアップル品種「ゆがふ」のゲノムを解読しました。

日本国内では1930年代からパインアップルが栽培されています。
当初は缶詰加工用が中心でしたが、1990年にパイン缶詰の輸入が自由化されて以降、ボゴール(スナックパイン)、ソフトタッチ(ピーチパイン)などの生食用品種に栽培がシフトしています。沖縄県では海外品種と差別化できる優れた品種の開発に永年取り組んでいますが、ゲノム情報を利用しない従来法では新品種開発に10年以上を要します。

そこで、新品種開発の迅速化を目指して、育種研究に多く用いられているパインアップル品種「ゆがふ」のゲノムを解読しました。「ゆがふ」は、葉にとげがなく、果肉が白い特徴をもちます。研究では、それぞれの形質を判別するためのDNAマーカーの開発も行いました。

これらの情報や技術を活用することにより、国産の新しいブランド品種の作出が期待されます。
研究成果は4月30日に国際学術雑誌 The Plant Journalに掲載されています。

論文タイトル:Gene prediction for leaf margin phenotype and fruit flesh color in pineapple (Ananas comosus) using haplotype-resolved genome sequencing
著者:Nashima K, Shirasawa K, Isobe S, Urasaki N, Tarora K, Irei A, Shoda M, Takeuchi M, Omine Y, Nishiba Y, Sugawara T, Kunihisa M, Nishitani C, Yamamoto T
掲載誌:The Plant Journal 110巻3号 720-734ページ
DOI: https://doi.org/10.1111/tpj.15699

詳しくは プレスリリース資料 をご覧ください。

Facebook
X
SDGs