地球バイオゲノムプロジェクトの進捗
 〜生物学におけるムーンショットで社会問題を解決〜

2022/1/18

研究開発

 地球バイオゲノムプロジェクト(EBP)は、地球上に棲息する150万にものぼる全真核生物種のゲノム情報を10年間で明らかにしようとするもので、ジョン・F・ケネディ元大統領が1961年に発表した「アポロ計画」、イノベーションで課題を打ち破ろうとした「ムーンショット」の生物版と言えます。1990年代からのゲノム配列解析技術、生物情報科学の進展に加えて、解析の自動化や人工知能技術が整った現代だからこそチャレンジできるプロジェクトです。EBPの壮大なプロジェクトがもたらす情報から、これまで人類が知りえなかった多くの知識が生まれ、その知識を活かして、現代社会が直面している、健康や環境、食料、経済など様々な社会問題に革新的な解決策をもたらす知恵が生まれてくるでしょう。

 パートナー組織は18ヶ国からの48機関で、国内からは、かずさDNA研究所と理化学研究所(現在、理研のプロジェクトを国立遺伝学研究所で進めています)が加盟しています。今回、EBPの計画にある3つのフェーズのうちの最初のフェーズが完了に近づいていることをうけて、活動の概要が報告されました。
研究成果は国際学術誌 米国科学アカデミー紀要 において、1月18日(火)にオンライン公開されました。

 詳しくは、リリース資料(PDF 2.61MB) をご覧ください。

論文タイトル:The Earth BioGenome Project 2020: Starting the Clock.
著者:Harris A. Lewin, Stephen Richards, Erez Lieberman Aiden, 他(国内からは国立遺伝学研究所/理化学研究所;工樂樹洋、かずさDNA研究所; 磯部祥子)
掲載誌:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)
DOI:10.1073/pnas.2115635118

EBP のホームページ URL:https://www.earthbiogenome.org/

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