水疱性類天疱瘡の発症に関与するタンパク質を解明 ~水疱性類天疱瘡に対する治療薬の開発に期待~
2024/9/25
研究開発かずさDNA研究所と北海道大学は共同で、自己免疫疾患である難病、水疱性類天疱瘡の原因と考えられるタンパク質を明らかにしました。
水疱性類天疱瘡は、自身の免疫が皮膚を構成するタンパク質(17型コラーゲン)を誤って攻撃してしまうことによって、全身の皮膚や粘膜に水疱や発疹などが生じる自己免疫疾患です。現在では、ステロイドと呼ばれる免疫抑制剤を長期間服用する治療法が確立されていますが、この治療法では、本来必要な免疫まで抑制されてしまって感染症にかかりやすくなってしまうことや、糖尿病や骨粗しょう症を発症する恐れがあるなどの副作用が大きな問題となっています。
本研究では、17型コラーゲンを攻撃すると考えられる5種類の免疫細胞をマウスに移入し、どのような症状が認められるのかを検証しました。その結果、5種類の免疫細胞すべてにおいて、病気の原因となる抗体が作られていましたが、3種類の免疫細胞では皮膚炎症状を引き起こし、他の2種類の免疫細胞では症状は認められませんでした。この違いは何かを調査したところIL-5というタンパク質(サイトカイン)の働きを抑えることによって、皮膚炎症状が軽減されることが明らかになりました。
今後、IL-5を治療のターゲットとすることによって、従来よりも副作用の少ない治療法が確立されることが期待されます。
詳しくは北海道大学のプレスリリースをご覧ください。