ジャガイモとトマト由来のレクチンが病気のバイオマーカー探索に有用

2024/2/6

研究開発

血液の成分である血清や血漿はタンパク質の濃度の幅が広く、病気の原因や治療の指標となる新たなタンパク質(バイオマーカー)を探す際、大きな課題となっています。

かずさDNA研究所は千葉大学大学院と共同で、レクチンという糖と結合するタンパク質を使って、血清中のタンパク質を濃縮する新たなアプローチを試みました。

37種類のレクチンを使って分析した結果、ジャガイモとトマト由来のレクチンは、他のレクチンに比べて、より多くのタンパク質を検出することができました。さらに、ジャガイモとトマトのレクチンを混合するとより効果的であることを見出しました。
全身性エリテマトーデスモデルマウスで検証したところ、コントロールと比較して1300種類以上のタンパク質の違いが検出されました。

本研究によってジャガイモとトマト由来のレクチンが、病気の診断や治療を行う上で指標となるタンパク質の探索に有用であることが明らかになりました。今回開発した方法により新たなバイオマーカーがみつかり、診断や治療に応用されることが期待されます。

研究成果は2024年1月21日に「International Journal of Molecular Sciences」に公開されました。

論文タイトル:Proteome analysis of serum purified using Solanum tuberosum and Lycopersicon esculentum lectins
著者:Daisuke Nakajima, Ryo Konno, Yasuomi Miyashita, Masaki Ishikawa, Osamu Ohara and Yusuke Kawashima
掲載誌:International Journal of Molecular Sciences
DOI: 10.3390/ijms25021315

 

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