ホウレンソウのゲノムを高精度で解読しました
2021/6/23
研究開発かずさDNA研究所、国立遺伝学研究所、東京工業大学、東京大学、龍谷大学、北海道大学は共同で、ホウレンソウのゲノム配列を高精度で解読しました。
ホウレンソウは、ルテインや葉酸、鉄などを含む栄養価の高い葉物野菜で、東京近県で多く生産され、千葉県は全国第3位の生産量(令和元年産出額70 億円)を誇ります。国内で栽培されているホウレンソウには、東洋系品種と西洋系品種があり、一般的にイメージされる葉に切れ込みがあり、根が赤いホウレンソウは、東洋系に由来する形質です。
より良質なホウレンソウの生産に向けた品種改良を効率化するためには、ゲノム情報が重要になります。これまでにも東洋系品種と西洋系品種それぞれ1品種が解読されていましたが、いずれも情報が不完全なために品種改良への利用は限定的でした。
そこで、日本で流通している品種を材料に、最新の技術を用いてゲノム解析を行いました。今回得られたゲノム情報をもとに、さらに解析を進めることで、品種改良が飛躍的に効率化され、良質なホウレンソウの安定生産につながることが期待されます。
詳しくは、リリース資料 をご覧ください。
論文タイトル:A spinach genome assembly with remarkable completeness, and its use for rapid identification of candidate genes for agronomic traits.
著者:Hideki Hirakawa, Atsushi Toyoda, Takehiko Itoh, Yutaka Suzuki, Atsushi J. Nagano, Suguru Sugiyama, Yasuyuki Onodera
掲載誌:DNA Research
DOI: 10.1093/dnares/dsab004
写真提供:株式会社トーホク