微量サンプルを対象とした超高感度プロテオーム解析法を開発しました
2018/11/20
研究開発タンパク質の網羅的解析(プロテオーム解析)システムの進歩によって、サンプル量のある細胞や組織に対しては大規模なタンパク質プロファイリングを解析できる時代になってきました。しかしながら、少数細胞群などの微量サンプルを対象としたプロテオーム解析は未だに難しく、より高感度なプロテオーム解析システムが求められています。
そこで本研究ではプロテオーム解析システムの要となるnanoLC-MS/MSのカラム担体として高分離能かつ低損失な無孔性粒子を用いた超高感度プロテオーム解析システムの開発を行いました。
開発したシステムを用いることで哺乳類培養細胞であるHEK293細胞100個から1407タンパク質、1000個から3278タンパク質の同定に成功し、開発したシステムで超高感度プロテオーム解析が実施できることを証明しました。
このシステムは今まで困難であったセルソーターやレーザーキャプチャーマイクロダイセクションにより回収された少数細胞群に対するプロテオミクス研究へ応用できると考えています。
論文のタイトル:Development of a NanoLC-MS/MS System Using a Nonporous Reverse Phase Column for Ultrasensitive Proteome Analysis.(無孔性逆相カラムを用いた超高感度プロテオーム解析用ナノLC-MS/MSシステムの開発)
雑誌名:Analytical Chemistry
著者:川島祐介、小原收
論文のHP:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.analchem.8b03382
かずさDNA研究所と理化学研究所との共同研究