イチゴ果実の形を自動計測するシステムを開発しました
2018/8/10
研究開発生物の持つゲノムは非常に多くの情報を含んでいます。シークエンサーの改良によりゲノム解読の速度があがり、またコンピューターの性能が向上したことで、多くの情報を素早く扱えるようになってきています。これまでゲノム情報を用いた育種は、病害虫耐性など単一の遺伝子による形質の改良が中心でしたが、技術の進歩により、味や果実の大きさなど、多くの遺伝子が関わる複雑な性質の改良にも取り組めるようになってきています。
かずさDNA研究所では、2013年にイチゴのゲノム配列を解読するなど、イチゴでゲノム情報を用いた育種法の開発に取り組んでいます。ゲノムを用いた育種では、多くの品種のゲノム配列を調べるとともに、それぞれの品種の形質を正確に計測し、それぞれの特徴を評価する必要があります。
そこで、イチゴ果実の色や形態を早く正確に測定するために、画像による三次元形状計測システム及び評価技術の開発を行っています。対象を三次元化することで,形状特徴の評価や計測の精度を上げることができ、果実の体積など従来の手法では難しい計測値を自動で取得することができます。
この論文では、計測作業の自動化・効率化と研究現場への普及を目的とした装置を構築し、計測精度の評価を行いました。
論文のタイトル:A 3D Shape-Measuring System for Assessing Strawberry Fruits.
雑誌名:Diagnostics International Journal of Automation Technology
著者:Kochi N, Tanabata T, Hayashi A, Isobe S.
論文のHP:https://www.fujipress.jp/ijat/au/ijate001200030395/
かずさDNA研究所と中央大学研究開発機構との共同研究
*日刊工業新聞2018年9月5日付の紙面に掲載されました。