Manual PowerGet PowerMatch PeakAlignment

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ピークのアラインメント

目次


複数のサンプル間で、同じ化合物に由来すると考えられるピークを対応づけることを、ここでは「ピークのアラインメントをする」と呼んでいます。

同一の化合物かどうかの判断は、クロマトグラフィーの保持時間、検出されたm/z値、MS/MSが取られているピークの場合はMS/MSフラグメントパターンの類似性を考慮して行われます。したがってアラインメントをする複数のサンプルは、溶出時間を比較可能な同一のクロマトグラフィー条件で分析されていることが前提となっています。

PowerMatchのアラインメント機能には次のような特徴があります。

  1. MS/MSの類似性を考慮する
  2. PowerFTでイオン化状態を推定しているため、m/zではなく元の分子の分子量で比較することが可能。このため、ポジティブモードとネガティブモードのデータを一緒にアラインメントすることも可能です。

アラインメント条件の設定

PowerMatchを起動しホームディレクトリを選択した後、サンプルセットが作成されているものとします。サンプルセットが作成されていない場合は、前項を参照して作成してください


メイン画面のAnalysisメニューから、Alignment Settings...を選択すると、Alignment Settingsウィンドウが開きます。ここでパラメーターを設定した後、OKボタンを押してください。

アラインメントパラメーター

溶出時間の許容範囲

Alignment Conditions: 欄の「R.T. margin」に、数値(単位は分)を入力します。比較する二つのピークの溶出時間が設定値を超えた場合は、同一化合物と見なされません。

質量値の許容範囲

Alignment Conditions: 欄の「m/z margin」に、数値を入力し、その単位を「ppm」または「m/z」から選択します。比較するふたつのピークの質量値が設定値を超えた場合は、同一の化合物とみなされません。

比較する質量値は「Mass Compare Mode」で以下から選択します。

by Actual Mass
推定された付加イオンを除去した分子の分子量
by Detected Mass
検出されたm/z
by Both
上記二つともが一致していなければ、同一化合物とはみなさない

Enable MS/MS comparison

チェックを入れると、MS/MSが取られているピーク同士はMS/MSの類似性を考慮した比較が行われます。この比較は、サンプルセット作成時に「MS/MS Group Index」に同一の値を入力したサンプル間だけで行われます。

考慮するMS/MSフラグメント

検出されたMS/MSフラグメントのうち、類似性の評価に用いるフラグメントを、下記二つのクライテリアから選択します。

フラグメントの検出強度の強い順に上位n個を採用する。

フラグメント強度の分布を正規分布とみなし、m/z値に関係なくフラグメント強度について1標本のt検定を行い、その信頼区間設定値α%以上の範囲に入るフラグメントだけを採用します。

どちらを選択した場合でも、フラグメントのm/z値は、Round at欄で設定した小数点で四捨五入され(丸められ)、比較されます。Round at 欄に1(デフォルト)を入力すると、小数点第1位で四捨五入され、整数マスで比較されることになります。

MS/MS類似性の評価

MS/MS matching: で設定します。

PowerMatchでは、MS/MSフラグメントパターンの類似性指標として、下記のような独特のパラメーターを用います。

類似性指標 = ピアソンの相関係数 × ファクター + コサインθ相関 × ファクター + スピアマンの順位相関 × ファクター


設定した質量許容量、溶出時間許容量の中で

溶出時間(RT)によるマス値、MS/MS類似性評価値の重み付け

アラインメントは、1)溶出時間、2)マス値、MS/MSが取得されている場合には3)フラグメントパターンの類似性といった、それぞれ独立した単位の数値をもとに評価されます。R.T. considerationのチェックを入れると、比較するふたつのピークの溶出時間(R.T.)の差に、設定したファクターをかけて、それをマス値の差の増大、MS/MS類似性評価値の低下と見なしてアラインメントを行うようになります。つまり、溶出時間(RT)によって、マス値とMS/MS類似性評価値に重み付けをすることができます。


どの程度のファクターが適切なのかを見極めることが難しいため、この設定はあまり使われることがありません。しかし、うまく設定することでよりよいアラインメントが得られるかも知れません。


ファクター設定は、Weight RT -> Mass欄(マス値用)、およびWeight RT -> CC欄(類似性用)で設定します。

たとえばWeight RT -> Mass欄に0.001(デフォルト)が入力されていると、二つのピーク間の溶出時間の差1秒間あたり、マス値の差が0.001加算されて評価されます。単位はppmではなくマスユニット(m/z)です。

Weight RT -> CC欄に0.05(デフォルト)が入力されていると、二つのピーク間の溶出時間の差1秒間あたり、MS/MSの類似性評価値が0.05減算されて評価されます。

このように、RTのずれが大きいほど、またファクター設定が大きいほど、マス値やMS/MS類似性評価値が設定した許容範囲を超えやすくなり、「マッチしない」と判断されやすくなります。

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