Manual PowerGet PowerFT DataPreparation

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データの準備

目次

PowerFTで解析をするための入力ファイルについて解説します。

PowerGetは当初、ThermoFisher社の精密質量分析装置(LTQ-FT, LTQ-Orbitrap)のデータ処理のために開発されたため、入力データのフォーマットは、ThermoFisher社のXcaliburソフトウェアから出力されるデータに沿ったテキストファイル形式となっています。

他の質量分析装置のデータでも、フォーマットを合わせることにより、PowerFTで読み込むことができるようになります。


入力データフォーマット

PowerFTでは2種類のデータ、すなわち、フルマススキャンと、MS/MSスキャンのデータを使用します。MS/MSスキャンのデータを取得していない場合は、フルマススキャンデータだけでも処理は可能です。

ファイルの形式はテキスト形式です。フォーマットの詳細はMSGet出力ファイルのフォーマットをご参照ください。


PowerFT用のファイル準備に当たっては、以下の点にご注意ください。

  • フルマススキャンのデータと、MS/MSスキャンのデータは、別ファイルとして準備する必要があります。
  • MS/MSスキャンをしたときにたたかれた親イオンは、MS/MSスキャンのスキャン番号よりも小さく最も近いスキャン番号をもつフルマススキャンの中から検索されます。下図をご参考に、二つのデータファイルのでスキャン番号の整合性にご注意ください。

TIPS
下記のMSGetツールを使い、フルマススキャンのフィルタとMS/MSスキャンのフィルタを、それぞれ異なるファイルに出力すれば、上記の条件を満たした入力ファイルが作成できます。

入力データファイルの作成

ThermoFisher社の精密質量装置であれば、私たちが開発したMSGetツールや、ReAdWツールを使用して、バイナリファイル(.raw)から、PowerFT入力用ファイルを作成することが可能です。

MSGet

PowerFT入力用のテキストデータを、Xcaliburソフト(ThermoFisher社)のバイナリファイル(.raw)から生成できる支援ツールです。入手方法、詳しい使い方は、こちらのMSGetマニュアルをご参照ください。

  • フルマススキャンとMS/MSスキャンのフィルタは、それぞれ別ファイルに保存してください。
  • PowerFTではMS3以降の多段階MSスペクトルは使用しませんので、それらのフィルタは出力データに含めないでください。

ReAdW

ReAdWというツールを使うことで、Xcaliburの.rawファイルをmzXML形式に変換することができます。PowerFTのファイルコンバーターを使うことで、ReAdWで作成されたmzXMLファイルを、PowerFTテキスト形式に変換することができます。

ReAdWという名前は「Read RAW」をもじったもののようです。くわしい使い方はReAdWのサイトをご覧ください。

ご注意
mzXML形式は汎用な質量分析データフォーマットの一つですが、PowerFTでコンバートできるのは、ReAdWを使って変換されたXcaliburの.rawファイルだけです。他の方法で作成されたmzXML形式を全てサポートしている訳ではありません。

ファイルのコンバート方法

PowerFTを起動し、メインメニューのToolからFile Converterを選択します。


Input File:のSelectボタンを押し、処理するmzXMLファイルを選択します。

Format:欄が「.mzXML (ReAdW converted ThermoFisher LC-FT)」になっていることを確認します。

※現在はこれしか選択できません。


Output Dir:のSelectボタンを押し、ファイルを出力するディレクトリを選択します。


Startボタンを押すと、処理が開始されます。

ファイルの配置

上記フォーマットで準備した、フルマススキャンとMS/MSスキャンのテキストデータファイルを、適当なディレクトリ(フォルダ)の中に配置します。

このディレクトリのことを、PowerFTのホームディレクトリと呼びます。

  /ホームディレクトリ
      |- SAMPLE01_(FTMS_+_c_ESI_Full_ms_[100.00-1500.00]).txt (フルマススキャンデータの例)
      |- SAMPLE01_(ITMS_+_c_ESI_d_Full_ms2).txt               (MS/MSスキャンデータの例)

ホームディレクトリの場所は、PowerGetのインストール場所に関係なく、任意の場所で構いません。また、PowerGetが終了した状態であれば、解析途中のデータをホームディレクトリごと移動させても、動作に影響はありません。ディレクトリ名には日本語も使うことができます。


PowerFTの解析は、まずホームディレクトリを選択するところから始まります。解析開始時にFileメニューのOpen Home Directoryで選択してください。

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