Manual MSGet

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MSGet マニュアル

目次

はじめに

MSGetは、Xcaliburソフトウェア(ThermoFishger社)で出力された.rawファイルから、全MSデータおよびPDAデータをテキスト形式で出力することができるソフトウェアです。XcaliburはThermoFisher社製の質量分析装置の標準制御ソフトです。

このソフトウェアで出力したテキストファイルは、PowerGetツールで読み込み、解析することができます。

使用制限

MSGetは、Xcalibur (ThermoFisher社)がインストールされた質量分析装置の制御用のPC上のみで使用することができます。

動作環境

以下のOS環境で動作を確認しています。

Winodws XP, Xcalibur 2.0

インストールと起動

プログラム本体はこちらのページからダウンロードできます。

ダウンロードしたzip圧縮ファイルを解凍(展開)します。

出来上がった「MSGet_VC.exe」をダブルクリックすると、ソフトウェアが起動します。


アンインストール

解凍してできたファイルを全て削除してください。

本ソフトウェアは、システムレジストリへの書き込みなどは一切行いません。

使い方

メイン画面

起動直後のウィンドウ状態は右図です。


MSGet Manual MainWindow1.png

Browseボタン

 RAWファイル選択ダイアログを表示します。

Exitボタンまたは右上の×ボタン

 MSGetを終了します。



RAWファイルを選択後、ウィンドウは右図の様になります。


MSGet Manual MainWindow2.png

「Filters」欄

 分析時に設定されたフィルタが表示されます。出力させたいフィルタを選択します(複数選択可)。
 ※ControllerTypeでPDAが選択されている場合、Filters欄は無効になります。

「Retention time」欄

 出力する時間範囲の始まり(Start)と終わり(End)を指定します(単位は分)。

「Threshold」欄

 出力する最小シグナル値を指定します。指定数値未満のシグナルは出力されません。

「ControlType」

 出力データのコントローラータイプ(MSかPDA)を指定します。
 ※プルダウンにはRAWファイルに含まれる全コントローラータイプが表示されますが、MSGetではMSとPDAのみサポートしています。

Outputボタン

 上記の条件に従って、データを処理し、出力します。


処理の流れ

起動後Browseボタンを押して.rawファイルを選択したのち、各種条件を指定して、Outputボタンを押します。出力ファイルは、選択した.rawファイルが存在するフォルダに生成されます。

出力ファイルについて

出力ファイルは選択した.rawファイルが存在するのと同じフォルダに生成されます。

ファイル名

MSデータの場合

選択したフィルタの数とThresholdの値に応じて、下記の通り自動的に名前が付けられます。

表中の【例】は「SAMPLE01.raw」という名の.rawファイルを処理した場合を示します。


フィルタ Threshold ファイル名の付き方
単一選択 0 元のファイル名(.rawより前の部分)の後ろにフィルタの名前が括弧書きで加わり、拡張子が「.raw」から「.txt」に変わります。フィルタ名に含まれるスペースは、アンダースコア「_」に置き換えられます。

【例】「ITMS + c EST d Full ms2」というフィルタが選択されていた場合、

SAMPLE01(ITMS_+_c_EST_d_Full_ms2).txt
0以外 上記のファイル名(拡張子以外の部分)の最後に、「_Th」に加えてThresholdの値が加わります。

【例】「ITMS + c EST d Full ms2」というフィルタ、
Thresholdに「3000」が指定されていた場合、
SAMPLE01(ITMS_+_c_EST_d_Full_ms2)_Th3000.txt

複数選択 0 拡張子を「.raw」から「.txt」に置き換えたものになります。
【例】SAMPLE01.txt
0以外 拡張子を「.raw」から「.txt」に置き換え、拡張子以外のファイル名部分の最後に、「_Th」に加えてThreshold値が加わります。

【例】Thresholdに「3000」が指定されていた場合

SAMPLE01_Th3000.txt

PDAデータの場合

Thresholdの値に応じて、下記の通り自動的に付与されます。

表中の【例】は「SAMPLE01.raw」という名の.rawファイルを処理した場合を示します。

Threshold ファイル名の付き方
0 元のファイル名(.raw以外の部分)の後ろに「(PDA)」が加わり、拡張子が「.raw」から「.txt」に置き換わったものになります。
【例】SAMPLE01(PDA).txt
0以外 上記のファイル名(拡張子以外の部分)の後ろに、さらにThresholdの情報が「_Th」に加えて付け足されたものになります。

【例】Thresholdに「3000」を指定した場合、

SAMPLE01(PDA)_Th3000.txt

ファイルフォーマット

テキスト形式で出力されます。

下記説明中、「\t」はタブを、「...」はその上の行と同様な情報の繰り返しを意味します。

MSデータファイル

選択したフィルタが単一であっても、複数であっても、以下の情報がスキャン番号順に出力されます。

: スキャン番号\t溶出時間\tフィルタ名
質量電荷比\tシグナル強度
質量電荷比\tシグナル強度
 ...

【例】

: 1603	5.008621666667	ITMS + c ESI d Full ms2 224.98@35.00 [ 50.00-460.00]
98.206893920898 	5.572522640228
116.921920776367	6.633393287659
 ...
: 1604	5.014826666667	ITMS + c ESI Full ms [ 200.00-1500.00]
200.398406982422	960.902282714844
201.277923583984	1018.091125488281
 ...
: 1605	5.017761666667	ITMS + c ESI d Full ms2 436.16@35.00 [ 110.00-885.00]
148.928085327148	11.655914306641
198.879119873047	10.793945312500
 ...


PDAデータファイル

スキャン番号順に下記の情報が出力されます。

: スキャン番号\tリテンションタイム\t
吸収波長(nm)\tシグナル強度
吸収波長(nm)\tシグナル強度
 ...

【例】

: 751	5.003000000000	
200.000000000000	457963.000000000000
202.000000000000	452614.000000000000
 ...
: 752	5.009666666667	
200.000000000000	458963.000000000000
202.000000000000	453681.000000000000
 ...
: 753	5.016333333333	
200.000000000000	460016.000000000000
202.000000000000	454721.000000000000
 ...

開発者

MSGetの開発には以下の方々にご協力をいただきました。

  • 茂木岳 様
  • 田中健一 様 (元 奈良先端大学)
  • 尾形善之 様 (現 大阪府立大学准教授)
  • 金谷重彦 様 (奈良先端大学教授)
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