リピドーム解析Lipidomics
生体中には多種多様な脂質分子が存在し、健康の維持・増進だけでなく、そのバランスの変化が様々な疾患の背後に潜む重要な要素である考えられています。 これらの脂質分子を網羅的に解析する技術として、質量分析計（MS）を用いたリピドームが注目されています。リピドーム技術は、ヒトだけでなく動植物や微生物などにも応用が可能で、重要な代謝変化を高精度・高感度に捕捉するだけでなく、未知の分子や新しい代謝経路を発見することも可能です。
メタボローム解析Metabolomics
生物には、生命活動の維持に不可欠な糖・アミノ酸・有機酸などの一次代謝物、健康機能が注目されているポリフェノール・アルカロイドなどの二次代謝物が存在します。メタボローム解析は、これらの親水性代謝物を質量分析計（MS）でプロファイリングして、重要な変動分子や代謝経路を捉えることが可能で、ヘルスケア・医療・農業・食品など様々な分野の研究開発への貢献が期待され、注目されています。
かずさDNA研究所について
かずさDNA研究所は、千葉県が創設したかずさアカデミアパークの先導的・中核施設として、1994 年に生命科学とバイオテクノロジーの根幹である DNA の研究を行うことを目的に上総（かずさ）地域に開所しました。本研究所は、研究を国ではなく県が支援するという我が国でもユニークな研究所であり、開所以来、極めて短期間で「植物」や「ヒト」の DNA 研究において多くの世界的研究成果をあげ、我が国は勿論、世界的な DNA の研究機関として高い評価を得るに至りました。このことに関しまして我々を支援していただきました県と県民の皆様に改めて感謝申し上げます。
我々は、これからも、今まで得られた、生命の設計図、 DNA の持つ膨大な遺伝情報と関連技術を、基本的生命現象の解明の研究のみならず、植物の品種改良や医薬品開発のような応用研究にも提供し、今人類が直面している、健康、食料、環境といった課題を解決することへ貢献し、それを通じて、上総地域への産業の誘致など、その発展に寄与していくことを目指していくつもりです。