タンパク質大規模解析の検出感度を向上させる新技術を開発
2025/8/14
研究開発生体内で働くたくさんのタンパク質を大規模、高感度に分析するには、高性能な質量分析装置を用いた「プロテオミクス」という技術が使われます。
本研究では、プロテオミクスの検出感度を向上させるため、「Thin-diaPASEF」という新しい技術を開発しました。この技術によって、HEK細胞(ヒト胎児の腎臓に由来し、研究によく用いられる培養細胞)から、一度の分析で9,400種類のタンパク質を検出することに成功しました。これにより、今まで見つけられなかったわずかな量のタンパク質を定量的に分析することが可能になり、より信頼性の高い情報が得られるようになりました。
本研究で開発された新しい分析方法により、病気の早期発見や治療効果の予測に役立つ『バイオマーカー』の発見が加速され、医療分野における基礎研究や診断技術の発展に大きく貢献することが期待されます。
論文タイトル:Thin-diaPASEF: diaPASEF for maximizing proteome coverage in single-shot proteomics
著者:Ryo Konno, Masaki Ishikawa, Daisuke Nakajima, Kaori Inukai, Osamu Ohara, and Yusuke Kawashima
掲載誌:DNA Research
DOI:10.1093/dnares/dsaf019