世界で初めてイチジクのゲノム配列の解読に成功

2017/1/27

研究開発

~品種開発の加速に期待~

 (公財)かずさDNA研究所、福岡県農林業総合試験場、九州大学は、日本最古のイチジク品種「蓬莱柿(ほうらいし)*1」(学名:Ficus carica L.)のゲノム解読に成功しました。

今回、世界で初めて成功したイチジクのゲノム解読により、約36,000 個の遺伝子をみつけました。今後は、果実の大きさや甘さ、病害耐性などの形質に関わる遺伝子の解析を進めていきます。

イチジクには雌株と雄株があり、日本で栽培されているイチジクの多くは単為結果性*2 の雌株品種です。イチジクの育種に重要な、雌雄株の決定に関わる遺伝子候補を同定し、雌雄株を識別するためのDNAマーカーを開発しました。また、福岡県の保有する蓬莱柿以外の121品種・系統を解析し、それぞれの品種や系統がもつ、特有のゲノム配列を確認しました。

これらの情報は、効率的な育種を行う上での基礎的なデータとなり、新品種開発の加速化が期待されます。

本研究成果は、2017年1月25日に国際科学専門誌、Scientific Reportsのオンライン版で公開されました。この研究で、かずさDNA研究所は、塩基配列データの取得とゲノム情報解析、及び遺伝解析を担当しました。

*1蓬莱柿(ほうらいし):江戸時代に日本に伝わった品種で、西日本で多く栽培されている。別名「日本いちじく」。日持ちしないので、地元消費されることが多い。果実は全国的に多く栽培されている品種「桝井ドーフィン」に比べるとやや小ぶり。果皮の色付きが浅いため、「白イチジク」と呼ばれることもある。写真は、蓬莱柿の果実(写真提供:福岡県農林業総合試験場)。

*2 単為結果性:受精が行われずに果実を形成すること。昆虫などによる受粉作業の必要がないため果実が得やすい。

論文情報:
Mori K, Shirasawa K, Nogata H, Hirata C, Tashiro K, Habu T, Kim S, Himeno S, Kuhara S & Ikegami H.
Identification of RAN1 orthologue associated with sex determination through whole genome sequencing analysis in fig (Ficus carica L.).
Scientific Reports (2017) doi:10.1038/srep41124
論文のURL: http://www.nature.com/articles/srep41124/

<詳細につきましては以下の資料をご覧ください>
イチジクゲノム資料[PDF 659KB]