ラッカセイ祖先種のゲノムを解読しました。

2016/2/23

研究成果

~ラッカセイ栽培種の品種改良の効率化に期待~

(公財)かずさDNA研究所は、ブラジル、米国、中国、インドの研究機関と共同で、ラッカセイ祖先種のゲノムを解読しました。

ラッカセイ栽培種(Arachis hypogaea)は、アジア・アフリカ・南米地域で多く栽培されており、これらの地域では主要な栄養源となっていますが、さび病など減収につながる病気や害虫の広がりもあり、品種改良の迅速化が求められています。
ラッカセイ栽培種は、ひとつの細胞の中に2種類(AゲノムとBゲノム)のゲノムを持つ異質四倍体*で、27億塩基という大きなゲノムを持っていることから、そのゲノム解読は困難が予想されています。
ラッカセイ栽培種のゲノムを理解するための基礎として、Aゲノムの元となったラッカセイ祖先種(A. duranensis)と、Bゲノムの元となったラッカセイ祖先種(A. ipaënsis)のゲノムを解読しました。

論文は、Nature Genetics誌で2016年2月23日にオンライン公開されています。論文(英文)は以下のサイトからご覧いただけます。
http://www.nature.com/ng/journal/vaop/ncurrent/full/ng.3517.html

 かずさDNA研究所は、実験計画の立案、二倍体種と四倍体種のゲノム比較、AゲノムとBゲノム間での染色体の相同組み換えの検出に貢献しました。

※異質四倍体:異なる染色体のひとまとまり(ゲノム)を複数(異質四倍体の場合、2対)持つ個体のことをいいます。ヒトを含む多くの動物は、母親と父親から1対のゲノムを受け継ぐ二倍体ですが、植物には2対のゲノムをもつ四倍体や、3対のゲノムをもつ六倍体などさまざまな高次倍数体があります。倍数体は、体が大きくなるなど農業に役に立つ形質を持つことから、栽培種に多くみられます。イチゴは八倍体、サツマイモは六倍体です。異質倍数体に対して、同一ゲノムが倍加して生じた個体を同質倍数体といいます。

ラッカセイ祖先種と栽培種のさやの写真:左上、A. duranensis(Aゲノム種)、右上A. ipaënsis(Bゲノム種)、下、ラッカセイ栽培種(A. hypogaea)。上部の目盛りの間隔は1mm。