植物への遺伝子導入の効率を向上させる化合物を同定

2015/7/16

研究成果

~実用作物品種改良の効率化・低コスト化に期待~

 公益財団法人かずさDNA 研究所は、カリフォルニア大学との共同研究でアグロバクテリウム法*1による植物への遺伝子導入効率を向上させる化合物を同定しました。

害虫抵抗性や除草剤耐性など遺伝子組換え技術により品種改良された作物は近年、世界各国で商業栽培が拡大しており、食料や飼料、園芸用として利用されています。アグロバクテリウム法は植物への有効な遺伝子導入法ですが、遺伝子導入が困難な実用作物が多く、遺伝子組換え技術を用いた品種改良の障壁となっています。

今回、アグロバクテリウム法による遺伝子導入が困難な種・品種が多いマメ科のモデル植物であるミヤコグサを用いて、化合物ライブラリーから遺伝子導入効率を向上させる化合物、クロロキシニル*2 を同定しました。クロロキシニルによる遺伝子導入効率の向上はミヤコグサだけでなく、単子葉植物のイネでも確認されました。また、複数のアグロバクテリウム系統でも効果が確認されたことから、多くの植物種の遺伝子導入系を改良できると期待されています。

この研究の成果は、PLOSONE 誌で2015年7月16日にオンラインで公開されました。

論文のURL: http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0131626

 

*1 アグロバクテリウム法:土壌細菌であるアグロバクテリウムは、植物細胞に感染して、自身の持つ
Ti プラスミド上のT-DNA を植物ゲノムに導入できる。その能力を利用して、目的とするDNA を
植物ゲノムに導入する方法。
*2 クロロキシニル:ニトリル系除草剤。植物の光合成電子伝達を阻害する。分子量188.01