メタボロミクス実験の「メタデータ」を専門に管理するMetabolonoteについての論文を公開しました。

2015/3/13

研究開発

かずさDNA研究所では、メタボロミクス(代謝物総体解析)の複雑な実験条件を手軽に書き留めて共有できるデータベースとして、Metabolonoteを作成し、公開しました。メタボロミクスとは、生体試料や食品などに含まれる様々な化学物質を網羅的に検出しようとする技術で、Metabolonoteはメタボロミクスデータの公開と利用を促進することを目的としています。

 メタボロミクス実験では、主な分析装置として、化学物質を水への溶けやすさなどの性質により分離する分離装置と、化学物質の質量を高感度に測定する質量分析装置が使われます。これらの装置には様々な種類が存在し、装置の組み合わせや測定条件が非常に複雑になります。また、データ解析にも時間がかかります。

そのため、

  • 公開されたデータを解釈し、相互に比較することが難しい
  • 細かな実験条件の情報が失われやすい

などの問題が生じており、メタボロミクスデータの公開と利用の大きな妨げとなっています。

そこで、かずさDNA研究所ではMetabolonoteを作成しました。Metabolonoteの特徴は以下の通りです。

  • Wikiで手軽に書くことができる
  • 実験データは管理せず、実験条件のみを管理する
  • 他のデータベースから共有可能なため、複雑な記述を一度行えば良い
  • 関連するデータ、論文、比較が可能な他のデータなどの付加情報を自由に記載できる
  • 研究成果をアピールでき、データの利用促進につながるため、登録者の公開意欲を向上させる

論文は、2015年3月13日付のFrontiers in Bioengineering and Biotechnology誌でオンライン公開されました。
Metabolonote 日本語版:http://metabolonote.kazusa.or.jp/Main_Page_ja

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