ワンと鳴くカエル、ネバタゴガエルを新種として記載した論文が公開されました。

2014/12/25

研究開発

公益財団法人かずさDNA研究所の長谷川嘉則特任研究員は、福岡教育大学、北里大学と共同で、ワンと鳴くカエルとして知られていたネバタゴガエルについて、学名Rana neba として新種記載しました。
ネバタゴガエルは、長野県根羽(ねば)村周辺だけに生息しています。染色体の本数が2n=28で、タゴガエル(2n=26)とは異なっていますが、mtDNAなどのDNA配列による系統関係の推定では、ほぼ同じ場所に生息するタゴガエルと同一のグループに分けられることが報告されています(2012年)。
そこで、外部形態について詳しく解析しましたが、ネバタゴガエルは体の大きさ・体各部の比・体色についてはタゴガエルとほとんど違いが見られないことがわかりました。一方で、声紋分析では、ネバタゴガエルとタゴガエルの鳴き声は大きく異なっており、生殖的隔離を起こす(互いの間で交雑が起きない)程の差があることが確認されました。
このことから、ネバタゴガエルは染色体の異数化が生じた後の短い期間に、外部形態の変化を起こさずに鳴き声のみを変化させることによって、祖先種との隔離が確立された隠蔽種であると考えられます。

この研究は、元北里大助教授の故龍崎正士博士により進められ、福岡教育大名誉教授の倉本満博士とかずさDNA研究所の長谷川研究員が参加しました。長谷川研究員は、かずさDNA研究所に移る前には広島大学などでカエルを含む両生類の研究を行っており、現在は日本両生類研究会の副会長を勤めています。この研究では、カエルの採集および声紋分析の解析に貢献しました。

この論文は、2014年12月20日付で両生類学の専門雑誌Alytesに掲載されました。